tomatevertの日記

エコある暮らしに少しづつシフトしているフランス人と日本人夫婦の生き方

マニフェスト「死んだ学校」

 

 私は、パリ好きの日本人には想像もつかない、フランスでも貧しい地域の田舎町に住んでいます。

人口5,670人。

教育をまともに受けられない、受けても学業を続けられない子供達で溢れかえった地域。

フランスの公立の学校は幼稚園から大学まで授業料が無料なのがとても魅力的でもありますが、その裏側には様々なドラマが繰り広げられています。

 

 

 

今回、国民教育省から新たな法律が発表され、親御さん達や先生方はとても怒っている。

 

フランスの教育社会は更なる貧富の差を大幅に広げ、壁を作るかのような動きに走り出しているかのように見える。

 

ここでお話するのは、法律がどう変わるのが問題では無く、不満を抱える国民の行動力と、私の周りで起こっている現状お話をしたいと思う。

 

 

とにかく皆んなが怒っている

 

フランスは、年に1度必ず先生達のストライキがあり、この日は沢山の先生が学校に行かない。

 

昔は学校の先生というと、子供を大学まで行かせることが出来るという安定職として存在していたが、現代の学校の先生は低賃金な上、様々な問題から毎年ストライキを起こしている。

 

フランスと言えばストライキ!

いつも市民が立ち上がり行動していて凄い!

みたいな印象を持っている人もいるが、実は学校や仕事に行かないで行動を起こしている裏側には、もちろんこの日の給料はもらえないので、この理由で行動を起こせない人も実際沢山いるのだ。

 

今回のお題は国民教育省への怒り。

ストライキで学校が休みというのは日常的な事なので、今回のストライキもそのように終わるかと思いきや、私の考えは完全に甘かった。

 

ストライキで幼稚園が休みになると、日中子供2人と過ごさなければいけない。

家での遊びに、身体を動かす遊びに、何をするかで頭を抱える。

なので、ストライキ翌朝の幼稚園の送り出しはイキイキするしかない。

 

今回の休み(にされた)翌朝、ママ友に渡された1枚の紙。

「来週もう1回マニフェストするよ!子供達を学校に連れて来ないにしようね!」と熱い眼差し。

 

 

水曜日も学校が休みなフランス。

週4日しか幼稚園に行かないので、専業主婦で家に縛られている私としては4日キチンと息子が幼稚園に行ってくれることがとても助かるし、むしろ行って欲しい。

 

 

仕方ぬ。未来の子供達と私たちのためだ!協力する他ない。

はぁ。次のストライキの日は何して子供達と遊ぼうか。。。

 

 

 

そして2回目の臨時休業を乗り越えた翌朝、私はやっと幼稚園!!!とメラメラ燃えながら息子を送り出したのです。

 

 

が、それでも私は完全に甘かった。

 

 

またメラメラ燃え上がってるママ友が紙を持って近付いてくるではないか。。。

その紙。。。その紙はまさか?!?!?!

 

「来週の月曜日、絶対!子供達を学校に連れて来ない!!!よろしく!!」(キラキラ)

 

 

 

ガーーーーーーーん。

今度は学校側がデモを起こすのでは無く、保護者と子供が反抗表現をする

直訳で死んだ学校

という名のストライキなのだ。

 

 

普段のストライキは、学校側が臨時休業!という意気込みなのだが

今回は

保護者と子供が、学校は開いてるけど断固登校、登園しない!という仕組み。

 

何が違うかというと、わざわざ先生が給料を削ってまで行動を起こさなくても抗議を続けられる仕組。

 

保護者と市長が話し合って決定したこの動きは、私の町だけでは無く他の市町村でも実行されるところがチラホラと発表されていた。

 

 

そんなこんなで3回のストライキを無事に乗り越え、息子を幼稚園に送り出す。

教室の前でバイバイをするのだけど、教室前に置かれているクラスの掲示板に何か怪しいメッセージが。。。。

 

「◯◯先生、木曜日にストライキします!!」

 

 

 

来週から2週間の春休み。。。。。